『1億人の英文法』という参考書をご存知ですか?
各所で「名書だ!」と話題になっているので、気になっている人も多いと思います。
実は、私もその名声を聞いて「どれ、試してみるか」と手に取ったうちの一人です。
…が、ハッキリ言って、この本を手に取った事を若干後悔しています。
なぜなら、この本はメチャクチャ読むのが苦痛だからです。
▼ 学習初日はやる気満々!
1億人の英文法を学習開始。文法をより強固にする pic.twitter.com/eZwDqAlm0d
— 米国クロネコ屋@30歳からの米国留学🇺🇸 (@ponko2kami) 2019年10月28日
▼ 学習開始から3日後に弱音を吐く
1億人の英文法を読むのが苦痛すぎて英字新聞のTIMEを片っ端から読んでる。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。
でも言わせて。英文法の本はクッソつまんねえ😭
— 米国クロネコ屋@30歳からの米国留学🇺🇸 (@ponko2kami) 2019年10月31日
1億人の英文法の何がキツイって、まず本の文量がヤバい。
670ページ近くある大ボリュームで、おまけに使われている単語は難しく、かつ基礎的な文法は「これくらい分かってるよね」と言わんばかりに省略されているので「初心者お断り」感が凄いです。
▼ めっちゃ分厚い!
もし私が英語を学び始めた時にこれを手にしたら、100%挫折する自信があります。
ただし、内容はかなり有益です。これだけは間違いありません。ボロクソに言ってるのは、あくまで「負担の大きさ」であり、内容に関しては噂通りのハイクオリティであると断言できます。
今回は1億人の英文法について
・どういった部分が有益なのか?
・どれくらいキツイのか?
・670ページもあるけど、挑戦する価値はあるの?
といった点をレビューしていきます。
はじめに:英文法の本はつまらない!
まず大前提として、英文法の本というのは1億人の英文法に限らず、概して読むのがキツイものです。
なぜなら
- 文量が多い
- 解説を理解しなければいけない
- 日本語自体が難解
という3つのハードルがあるからです。
不定詞とか関係代名詞とか…これ覚える意味あるの?
と思った人も多いでしょう。私も「こんなん覚えなくてもフィーリングでええやん」と思っていた人間の一人です。
英単語であれば暗記すれば良いだけなので、そこまで難しくありません。
しかし、英文法は理解しながら読み進めなければいけないので『読解力』を求められます。
これが超キツイんですよ。
えーっとotherとanotherの違いは…
みたいな事を分析しながら読んでいたら、頭おかしくなります。
ぶっちゃけ細かい部分はぶん投げてフィーリングでやった方が楽です。
しかし、英文法はいわば英語のルール。ルールを知らずして英語を完全に理解することは出来ません。
スポーツ選手が競技ルールの勉強から逃げられないのと同様、どこかで「えいや」と一気に英文法を理解しないと必ず行き詰まります。
1億人の英文法は『実践的な文法の使い分け』が書かれている
そんな挫折者続出の英文法ですが、1億人の英文法は従来の文法書と違って『より実践的な解説』が含まれています。
- なぜ、このような文法になるのか?
- ネイティブは可算名詞と不可算名詞をどう分けているのか?
- 「~させる」という意味のget,have,let,makeの使い分けは?
などなど、従来の文法書では踏み込んでいない部分まで突っ込んで解説しています。
ですので「文法なんか最低限覚えといて、あとは本番で慣れていけばいいや」という人にとっても興味深い内容が含まれています。
例えば
「~させる」という意味のget,have,let,makeの使い分けは?
という部分に関しては
・makeは強制的にさせる意味合いを持つ
・haveは自然とそうした状況にする、といったニュアンス
・letは~することを許す、といった意味
・getはaskと同じで「頼み込んでさせる」という意味
このように、具体的に説明されています。
(1億人の英文法:92ページ参照)
英文読解のための文法というよりも「英会話で使うための文法」が解説されているのが、1億人の英文法が名所と言われる所以ですね。
【注意】初心者は手を出さない方がいい
しかし、繰り返しになりますが、英語初心者は手を出さない方が良いです。
最低でも英文法を一通りやって、なおかつ単語をセンター試験レベル(速読英単語必修編を覚えたくらい)まで伸ばした後に手を出した方が良いでしょう。
というのも、1億人の英文法は読み進めるのが非常に大変です。そして基礎的な文法はあまり解説されていません。
どちらかと言うと「ネイティブの感覚」を学ぶことにフォーカスしているので「基礎は他で学んできてね」みたいな印象です。
ですので初心者ほど読解が困難になり、これにかかりっきりになってしまい、単語や長文読解などが疎かになって最終的に挫折する…といった「負のサイクル」にハマってしまいます。
ぶっちゃけ、センター試験レベルの英語も厳しい方(TOEIC500点以下)は、他の参考書を優先した方が良いでしょう。
どうしてもと言うなら、挑戦しても良いですが、相当マゾな人でない限りゲロゲロになると思います。
私はTOEIC600点の中級者ですが、それでも読み進めるのに苦戦しました。
中級者以上なら挑戦する価値は大いにある
逆に英語の中級者~上級者で、しかし文法はフィーリングでやってきた人であれば、得るものは非常に大きいと思います。
文法の総復習をしつつ、ネイティブの感覚を掴んで全体的な英語力を改善することが出来ます。
「もう文法なんて全部覚えてるよ」
という方でも、読む価値ありですよ。
ただし、670ページ近い文量があるので、読み終えるまで最低でも1週間はかかる事を覚悟しておいて下さい。
▼ 絶望しながら読み進めてる私の姿
まとめ:中級者がワンランク上に行くための参考書です
まとめると、1億人の英文法は
・読み進める負担はハンパない
・初心者は辞めとけ。死ぬぞ
・中級者~上級者が上にいくための試練の書
・文法の総復習+ネイティブ感覚を掴める
といった参考書になります。
670ページ近くあり、ロイヤル英文法と同じく鈍器になるレベルの分厚い本ですが、ぜひ集中して読了を目指しましょう。
読み終わった後には「ホンモノの英文法の使い方」が身についているはずですよ。
私も頑張って読み進めてます。はぁ~!文法クッソだりぃ~!(本音)
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